ローエンドCPUの性能はどれだけ上がった? Core i5(2013)とCeleron(2019)を比較
こんにちは。私が所有しているノートパソコンとして、2013年発売の「VAIO Pro11」と2019年モデルの「BMAX Y11」がありますが、この二機種は価格帯に大きな差があり、搭載CPUも「Core i5」と「Celeron」という大幅にグレードが違うものが使われています。にもかかわらず、実際の使用感に大きな差は感じられません。今回はスペックシートではわからない体感性能の違いを比べていきます。
比較対象のスペックシート
機種名 | VAIO Pro11 | BMAX Y11 |
CPU | Intel Core i5-4200U | intel Celeron N4120 |
コア数/スレッド数 | 2/4 | 4/4 |
ベースクロック | 1.6GHz | 1.1GHz |
ブーストクロック | 2.6GHz | 2.6GHz |
TDP | 15W | 6W |
GPU | HD graphics 4400 | UHD graphics 600 |
メモリ | 4GB | 8GB |
ストレージ | SSD 128GB(SATA) | M.2 SSD 256GB(SATA) 換装可能 |
ディスプレイ | 1920×1080 タッチ対応 11.6インチ | 1920×1080 タッチ対応 11.6インチ |
ネットワーク | IEEE 802.11a/b/g/n (最大300Mbps) Bluetooth 4.0 | IEEE 802.11a/b/g/n/ac (最大433Mbps) Bluetooth 4.2 |
バッテリー | 32Wh 10-11時間 | 26.6Wh |
インターフェイス | USB3.0×2 HDMI ×1 SDカードリーダー 3.5mmジャック | USB Type-C ×1 (USB3.0) Micro USB ×1 (USB2.0) micro HDMI ×1 microSDカードリーダー 3.5mmジャック |
カメラ | 92万画素 | 100万画素 |
サイズ 重量 | 285×197×17.2mm 870g | 275×187×13mm 998g(公式値) |
価格(新品) | 約17万円 | 約4万円 |
といったところになります。さすがに2019年モデルと2013年モデルの差は大きいですね。ただ、「VAIO Pro11」のすごいところは1.5kg以上のノートパソコンが大多数であった2013年において、スペックを妥協せず900gというとんでもない軽量化を実現しているということです。11.6インチでタッチ対応800gのノートパソコンは2020年時点でも「VAIO Pro11」しかなかったと思います。また、タッチ非対応モデルは驚異の700g台だったと思います。
CPUは「Core i5-4200U」に対して「Celeron N4120」になります。ベースクロックは前者の方が高いものの、ブーストクロックはどちらも同じになります。コア数はCeleronの方が多く、2コア4スレッドに対して4コア4スレッドです。当然ながらスレッド数は同じでも、実際のコア数が多い方が有利に働きます。また、プロセスルールも22nmに対して14nm のため、省電力性にも差が出てきます。
今回の目的は「最近のローエンドPCは7年前のミッドハイPCにどこまで太刀魚できるか」となります。
CPU仕様の詳細比較
性能差を比較するうえで一番重要になるCPUの仕様の比較になります。
Core i5 4200U | Celeron N4120 | |
---|---|---|
開発コード | Haswell | Gemini Lake Refresh |
プロセスルール | 22nm | 14nm |
コア数 | 2 | 4 |
スレッド数 | 4 | 4 |
ベースクロック | 1.6GHz | 1.1GHz |
ターボクロック | 2.6GHz | 2.6GHz |
キャッシュ | 3MB | 4MB |
GPU | Intel HD Graphics 4400 | Intel UHD Graphics 600 |
GPUベースクロック | 200MHz | 200MHz |
GPUブーストクロック | 1GHz | 700MHz |
実行ユニット数 EU | 20 | 12 |
最大解像度 | 3280*2000 60Hz | 4096*2160 60Hz (4K対応) |
対応メモリ | LPDDR3 1600 | LPDDR4 2400 |
最大メモリ量 | 16GB | 8GB |
TDP | 15W | 6W |
クロック数は同じ、コア数はCeleronのほうが多く、消費電力はCore i5のほうが多いです。
搭載メモリの仕様比較
VAIO Pro 11 | BMAX Y11 | |
---|---|---|
搭載メモリ | LPDDR3 | LPDDR4 |
容量 | 4GB | 8GB |
クロック | 1600 | 2133 |
バンド幅 | 26GB/s | 34GB/s |
Passmarkスコア
PCの性能を計るうえでの定番ベンチマークです。
・VAIO Pro11 (i5-4200U)
・BMAX Y11 (Celeron N4120)
全体的なCPU性能としてはBMAX Y11のCeleron N4120が1.2倍ほど良い結果となりました。
シングルスレッド性能はCore i5の方が1.3倍ほど高いことから、Celeronはコア数で性能を稼いでいるのがわかります。
ドラクエⅩベンチマーク(主にGPU性能)
・VAIO Pro11
・BMAX Y11
グラフィック性能においてはVAIO Pro11の方が1.5倍ほど高いことがわかります。
GPUの仕様に関しては、Pro11の4200Uのほうが高性能で、クロック数と実行ユニット数の差がダイレクトに影響していると思われます。
CrystalDiskMark
このベンチマークはCPUの性能とは関係ないストレージ性能の項目になりますが、昔のPCは転送速度が遅いHDDなどを搭載されているものが多かったりするうえ、この速度がPCの快適度に直接関係してきます。いくらCPU速度が速くても、ここが遅いと全体的にもっさりとしてしまいます。
・VAIO Pro11
・BMAX Y11
どちらもSATA-6GB SSDですので性能差はほとんどありません。この程度の性能があれば実用上十分です。
まとめ
Core i5 だからと言って必ずしも下位グレードのCPUより性能が高いとは限りません。中古のPCなどを購入の検討をされる際は、一度CPU性能を調べてみた方がいいでしょう。
それにしても最近のノートパソコンの性能向上はすごいです。中華PCの標準的なスペックに至ってはメモリ8GB、SSD256GBが多い印象です。この部分だけ見ると日本の10万円台のノートパソコンも大体同じなのでコストパフォーマンスの良さが伺えます。
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