『LAVIE NEXTREME Carbon XC750』実機レビュー。軽い、良い、かっこいい。
14インチのノートパソコンがここ数年で流行っています。コロナ禍においてリモートワークと出勤を組み合わせたハイブリッドワークたるものが見られるようになり、「モバイル用の13インチだと小さい、けどホーム用の15.6インチだと大きくて持ち運びしにくい」という欠点をカバーするために間を取った「ちょうどいい」インチ数になります。そんな14インチモデルですが、今回紹介するのは2022年春モデルとして発売された『LAVIE NEXTREME Carbon』シリーズになります。現状(2022年9月)ではこれが最新モデルで、半年後には第12世代CPUを搭載したモデルが発表されるだろうと思います。
14インチモデルといえば国内メーカーでは『VAIO SX14』などが代表的ですが、このモデルの特徴は『Carbon』という名の付く通り天板や底面にカーボン素材を使用しており、重量は800g台~と非常に軽量です。また、流行りの[16:10]ディスプレイを搭載し、ディスプレイ面はフレームレスでデザインも非常に良いです。
今回はNECのメーカーリファビッシュモデルが安価に入手できましたので、「VAIO SX14」との比較を交えて紹介していきます。
スペックシート
NEXTREME Carbon | VAIO SX14 2021 | |
---|---|---|
OS | Windows11 Pro/Home | |
CPU | Core i7-1195G7 Core i5-1155G7 | Core i7-1195G7 Core i5-1155G7 Core i3-1115G4 Celeron 6305 |
メモリ | LPDDR4X 8GB / 16GB | LPDDR4X 8GB / 16GB /32GB |
ストレージ | PCIe Gen4 256/512GB 1TB/2TB | PCIe Gen4 256/512GB 1TB/2TB PCle Gen3 128GB/256/512GB |
ディスプレイ | 14インチ 16:10 1920×1200 | 14インチ 16:9 (3840×2160) 1920×1080 |
タッチパネル | 非対応 | 対応 (オプション) |
I/O | USB4.0 Type-C (thunderbolt 4) ×2 USB 3.2 Gen2 ×1 3.5mm HDMI ×1 MicroSD ×1 | USB4.0 Type-C thunderbolt 4 ×2 USB 3.0 ×2 有線LAN 3.5mm HDMI ×1 |
Wi-Fi Bluetooth | Wi-Fi 6 Bluetooth 5.0 | Wi-Fi 6 Bluetooth 5.1 |
ネットワーク | 5G LTE eSIM (オプション) | 4G LTE 3G (オプション) |
カメラ | 200万画素 FHD | 207万画素 92万画素 |
生体認証 | 顔認証 指紋認証 | (顔認証) (指紋認証) |
バッテリー 駆動時間 | 15~24時間 | 17~28時間 |
本体サイズ | 313×218×17.5mm 870~953g | 320×223×17.9mm 999~1139g |
とにかく軽いです。14インチのディスプレイを搭載するパソコンの中では最軽量クラスで、特に16:10のディスプレイタイプの機種では唯一無二の900g以下を達成したモデルです。
システム面では、第11世代のCorei7/i5を搭載しています。第12世代CPU(Alder Lake)が登場した現在では型落ちの部類に入りますが、実際の使用では十分すぎるほどの性能を有しています。今回購入した機種は量販店向けのカタログモデルで、『Core i7-1195G7 / 16GBメモリ』を搭載する上位の「XC750 」です。
最上位モデル(XC950)はSIMカードを挿入、もしくはeSIMを使用してのLTE通信にも対応しています。また、直販サイトで購入できるカスタマイズモデルでは5G通信に対応した構成が選択可能です。
本体デザイン
リファビッシュPCとは?
先に記述した通り、今回購入したものはメーカーリファビッシュ品です。
NEC Refreshed PC (NECリフレッシュPC) メーカー保証付き再生パソコンのご案内 |NEC LAVIE公式サイト (nec-lavie.jp)
初期不良日や買取品をメーカーが再整備し、新品の付属品や箱を用意して再出荷するというものになります。販売店での延長保証に加入することはできませんでしたが、1年間のADP保証がついていますので、保証内容としては新品以上のものになります。
ADP保証とは
アクシデント・ダメージ・プロテクションの略で、水こぼしや落下などの物損事故も修理限度額までは補償内容に含まれるもの。
https://www.nec-lavie.jp/products/refreshedpc/
付属していたものは新品同様で、MicrosoftOffice2021のライセンスカードもありました。
ベゼルレスでかっこいい
本体デザインを見ていきます。NECとしては珍しい16:10の縦に長いディスプレイを使用しており、なおかつベゼルレスで非常にかっこいいです。また、キーボード面が傾斜するリフトアップヒンジになっているので下部ベゼルは全く目立ちません。(実はNECのロゴが印字されています)
本体の素材は新開発のカーボンを使用しているとのことで、過去に存在した『LAVIE Hybrid ZERO』シリーズの素材感に非常に似ています。
左側面には充電兼用のType-C(thunderbolt4)端子×2、microSDスロットがあります。左側面にはHDMI、USB-A(3.0)端子、イヤホンジャックが搭載されています。個人的には左右の両サイドにType-C端子が搭載されていると充電しやすいなと思うところです。LAN端子は非搭載ですが、モバイルノートPCとして考えれば標準的な端子類です。
左下にはリファビッシュPCのシールが貼りつけられています。
キーボード・タッチパッド
キーピッチ19mm、キーストローク1.5mmのフルサイズキーボードです。キーボードバックライトも搭載されいます。(上位モデル)右上には電源ボタンがあり、モデルによっては指紋認証センサーを搭載することも可能です。
14インチながらキーボードがかなり幅広く配置されています。Enterキーが非常に大きいです。矢印キーもフルサイズで確保されています。かなが印字されていますが、英字が中央にあることであまり目立たなくなっています。
また、NEC製ノートパソコン全般にいえることですが、「Fn」キーが左端に配置されています。個人的には「Ctrl」キー左端が好きなのでBIOS設定から変更しています。
実際にこの機種で記事を書いていますが、これまで使用してきたノートパソコンの中でもトップクラスに打ちやすいです。リフトアップヒンジでちょうどいい良い傾斜があるのも相まってテンポよく文字入力ができます。キーの打鍵感がしっかりとしているうえ、たわみが無いのもいいですね。キーに指紋跡が残るなんてこともなさそうです。
タッチパッドのサイズはふつう~大きめで、ホームポジションに対して右側(パソコン中央)に配置されています。パームレストと似たようなプラスチッキーな素材感ですが、あまり使いにくいという印象はありません。感度操作感共に充分です。
ディスプレイ・カメラ
私がこのモデルを選んだ大きな理由の一つであるディスプレイですが、14インチの16:10液晶を搭載しています。解像度は「WUXGA (1920×1200)」です。ディスプレイの画素密度は「162ppi」です。実使用では必要十分かつ最低限の解像度です。個人的には「WQXGA (2560×1600)」などの高解像度ディスプレイのオプションがあるといいななんて思います。
同じ14インチモデルである『VAIO SX14』の2019年モデルと並べてみました。液晶を縦に伸ばしている分、上下方向でのスッキリさはこの機種が勝ります。
インカメラには流行りのプライバシーシャッターがついています。その左右には顔認証用の赤外線センサーがあります。
スピーカー
背面手前側にステレオで配置されています。机に反射して音を広げるタイプなので、机の素材や有無によって音質は変わっていきます。
また、高音質技術としてYAMAHAの「Audio Engine」というソフトがインストールされており、ここから音質調整が可能です。再生するコンテンツに合わせた音質調整が可能なほか、オンライン会議などでのマイク設定も変更することができます。
音質としては普通です。以前レビューした『Dell Inspiron 13 5310』と少し下~同等クラスです。
バッテリー
バッテリーは48Whの『PC-VP-BP149』を搭載しています。カスタマイズモデルでは大容量(L)バッテリーに該当するもので、JEITA Ver.2.0でのバッテリ駆動時間は約24時間です。体感的には10時間程度の持ちに感じます。カスタマイズモデルでは標準モデル(M)も選択可能で、こちらはJEITA Ver.2.0で約15時間とのことです。
処理性能・各種ベンチマーク
CPU性能…低め
今回レビューしたモデルは『Core i7-1195G7』を搭載しています。第11世代、TDP28Wのモバイル向けプロセッサーとしては最上位で、最大クロック数は5GHzです。このCPUは2021年に追加されたモデルで、クロック数の底上げが行われています。
システム情報を確認するソフトウェアである「HWinfo」で情報を確認しました。
Cinebenchでベンチマークスコアを計測しました。
CPUの割には性能低めな結果です。TDPを15Wに抑えている下位モデルの『Core i7-1165G7』以下というもので、期待外れな印象になりました。
シングルコア | マルチコア | |
i5-1195G7 【今回のスコア】 | 1345 | 3664 |
i7-1165G7@28W | 1532 | 4904 |
i7-1165G7@15W | 1382 | 3769 |
ストレージ性能…高速
こちらも定番です。このモデルに搭載されているSSDは最新規格である『PCIe Gen4』のM.2ストレージです。
CrystalDiskInfoで仕様を確認しました。搭載しているSSDはSamsung製の『MZVL2512HCJQ』で、『VAIO Z』などでも採用されているそうです。今回選択した容量は512GBです。
計測してみました。『Read 6719MB/s Write 4846MB/s』とすさまじく速いです。文句の付け所がありません。
SDカードリーダー…高速
このパソコンにはmicroSDカードリーダーが搭載されています。カードを挿入しても出っ張りはほとんどありません。
こちらもCrystal Disk Markで速度を計測してみました。計測に使用したのはTOSHIBAのUHS-Ⅱ、32GBのタイプです。
Readで200MB/s以上出ていることからUHS-Ⅱに対応していることが分かります。
まとめ
14インチの良さに気づきました。
筆者はこれまで、『OneMix4』をはじめ、コンパクトかつスタイリッシュノートパソコン探し求めていましたが、つい衝動買いをしてしまったこの14インチモデル、サイズ感とのバランスが非常に魅力的であることが分かりました。
特にキーボードの打ちやすさは特筆すべきポイントで、このような記事執筆などの文字入力を多用する場面でストレスなく快適にタイピングができます。この点は数値などでは表せないポイントながら非常に重視すべき点だなとも感じました。
サイズ感をカバーできる軽さは魅力的すぎる
画面のサイズ上、14インチではいくらベゼルを削っても12.5インチなどのコンパクトモデルよりも小さくなることはありませんが、重量では多くの13インチモデル以下の軽さであり、大画面でありながら非常に軽いという理想的なバランスとなっています。
おまけ…Windows11ではAndroidアプリを動かせます。(Amazon経由)
Windows11の特徴的な機能として、『Androidアプリが動かせる』というものがあります。これはGoogleが正式に対応しているものではなく、Amazonアプリストア(Fire HDなどでアプリをインストールするときによく使うもの)を経由して使えるというもので2022年の9月から日本国内でもベータ版が開始されました。
現在のところ使用できるアプリはあまり多くありませんが、今後に期待ができそうです。