CHUWI『HiPad XPro』レビュー。約2万円の高コスパミッドレンジタブレット。【Widevine L1対応】
CHUWI端末の購入は2017年に紹介した『SurBook Mini』以来の約5年ぶりで、このサイトはじめて初のレビューでもありました。非常に楽しみです。
今回購入したのはCHUWIのミッドレンジタブレット端末である『HiPad XPro』です。約2万円(2023年2月)ながらセルラー通信に対応しています。また、低価格ながらAmazonプライムビデオなどに活用されるGoogleの著作権保護機能『Widevine L1』にも対応し、HD画質での動画視聴が可能となっている中華タブレットの中でも数少ない端末になります。
今回はデザイン、スペックシート、各種ベンチマーク、使い勝手について評価していきます。
スペックシート
スペックとしてはミッドレンジに当たります。しかしながら、メモリは6GB、ストレージは128GBという充分なスペックです。
Pixel 7 | |
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サイズ | 長辺:246.4 mm 短辺:161.5 mm 奥行き:7.3 mm 500g |
初期OS | Android 12 |
SoC | Unisoc T616 Cortex-A75 1.95Ghz×2 Cortex-A55 1.82Ghz×6 |
Antutuスコア | 約25万点 |
メモリ ストレージ | LPDDR4X 6GB 128GB UFS (microSD対応) |
ディスプレイ | 10.5インチ液晶 (1920×1200) 16:10 56Hzディスプレイ |
ネットワーク | Wi-Fi 5 Bluetooth5.0 4G対応 |
背面カメラ① | 1,300万画素 32mm |
背面カメラ② | 30万画素 (深度測定) |
前面カメラ | 500万画素 (公式サイトには800万画素と記載) |
バッテリー 充電機能 | 7,000mAh 有線18W充電 |
USB | Type-C USB 2.0 (480Mbps) |
セキュリティ | 顔認証 |
その他機能 | 4Wayスピーカー (底面&上部) イヤホンジャック ラジオ機能 |
防水 | 無し |
素材 | アルミ |
公式サイトにはインカメラが8MP(800万画素)と記載されていましたが、実機は5MP(500万画素)でした。ただし、公式サイトのハイライト画像には1300MP(13億画素)と記載されています。
Blackview Tab 15とフィルム共用可?
本体の縦横サイズが『Blackview Tab 15』と全く同じのため、ガラスフィルムなどの一部アクセサリを共用できそうです。ただし、カメラの位置やサイズが違う可能性もありますので、後ほど実際に購入して確認します。
開封・デザイン
CHUWIでは基本的なクラフト風ボックスに入ってきました。
外箱を開けるとタブレット本体が鎮座しています。周囲はしっかりと耐衝撃性のある素材で覆われていて、中華ながら他の安物メーカーとの違いを感じるポイントです。
本体です。ベゼル幅は比較的狭く、近代的です。ディスプレイの四隅はラウンドしています。公式サイトの本体画像と比較すると少しだけベゼル幅が広く見えますが、他社より盛ってはいないかな~といった程度です。
インカメラ横にはランプが搭載されており、充電中や通知での店頭に対応しています。タブレット端末としてのこの機能は珍しいですね。
背面はアルミ素材です。品質もCHUWIらしく十分に良く、高級感があります。左右(横持時)にはスピーカーがそれぞれ2つつ配置されています。右上には電源&音量ボタン、右側面にはSIMカード&SDカードスロットが搭載されています。
カメラです。3mmほど飛び出ています。
各種機能を確認
プリインストールアプリ
至って標準的
非常に標準的なアプリです。イヤホンジャックを活用したFMラジオアプリが搭載されているのが特徴でしょうか。また、標準のランチャーアプリはAOSP版に近いもので、カスタマイズ性は皆無に等しいです。
マルチタッチは10点対応
10点マルチタッチに対応しています。5点だと勝手に思い込んでいましたがこれは予想外です。
SDカード対応だが、フォーマットには注意
この機種は128GBの内臓ストレージに加えてSDカードでの拡張にも対応しています。この最大容量は512GBとのことですが、Windows端末などからデータ移動目的で大容量カードを使用する際には注意が必要なポイントがあります。
それはカードの対応フォーマット形式で、『exFAT』『NTFS』に対応していないということです。そのため、これらのフォーマットを行ったカードにデータを入れても、この機種では再生や移動などの操作が全くできません。すなわち、どんな大容量カードであっても『FAT32』形式でフォーマットしたSDカードが必要になります。
しかしながら、Windows上では標準的に64GBのSDカードをフォーマットする時に『FAT32』を選ぶことができなくなっており、タブレット端末側でフォーマットを行うかソフトウェアを用意しての処理が必要になります。さらに、仕様上1つ4GB以上のファイルを扱うことができなくなっているため、大容量の動画ファイルなどでは影響が出てきそうなポイントです。
スピーカー音質は及第点
4つのスピーカーを搭載しているのが売りの機種でもありますが、肝心の音質については特筆するほど良いというわけではありません。
ステレオスピーカーらしく左右が分離した音が中音域から高音域にかけてしっかりと出てはいますが、低音は控えめで、音量を最大近くまで大きくすると一気に聞き取りやすくなる印象です。総評としてはさすがに所有している『XPERIA 5Ⅳ』ほどのものではないですが、動画視聴や音楽再生には充分といったところでしょうか。
また、将来的に改善してほしいのがスピーカーの向き設定で、端末の向き(上下左右)にかかわらず、スピーカーの左右はデフォルトである横持ちカメラ上側で固定されています。すなわち、縦持ちの場合は上下でステレオ出力されてしまいます。この点は非常に惜しいですね。
どうでもいいポイント
WIFIアイコン
ステータスバーにあるWIFIのアイコンですが、通信を行うと左横にアップロードダウンロードのアイコンが表示されるようになっています。
この仕様自体はAndroidによくある当たり前のものですが、この機種ではこのアイコンが表示されるたびに左側の「Bluetooth」アイコンなどがずれる仕様になっています。ちょこちょこ右上が動いて目障りです…
一応ですが、Wi-Fiボタン自体はシステムUI調整ツールで非表示にすることができます。
ディスプレイ仕様
アマプラ・ネトフリが高画質で視聴可能
この端末の最大の魅力の一つはGoogleの著作権保護機能である『Widevine L1』に対応していることです。安めのタブレット端末はこれが『L3』止まりのものが多く、最大480pというDVD以下の画質でしか見れないという制限がありました。せっかくの大画面タブレットで見るのなら高画質が良いに決まってますよね。
カラー設定に対応
カラーとコントラストの設定に対応しています。色温度を設定することも可能で、さらには動画視聴時のカラーブースト機能にも対応しています。だし、このアプリを自身で設定することはできません。また、HDRにも非対応です。
各種ベンチマーク
Antutu Benchmark
SoCには『Unisoc T616』を搭載しています。命名規則的には『T610』以上『T618』以下の仕様であると考えられます。
バージョン | スコア |
---|---|
Antutu V9.5.6 | 248157 |
ミッドレンジクラスですね。GPUスコアは低めなのであまり重い3Dゲームなどは向いていないでしょう。
Antutu Storage
バージョン | スコア |
---|---|
Antutu V9.5.6 | 29725 |
UFSだけあってストレージ性能は価格帯を考えれば高いでしょう。リード900MB/sはSATA SSD以上のスペックになります。
A1 SD Bench
十分すぎる速さです。さすがUFSストレージ。
A1 SDbench | スコア |
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Read | 670.68MB/s |
write | 202.53MB/s |
カメラ性能
仕様・UI
カメラのスペックは高くありません。
背面カメラ① | 1,300万画素 32mm F/2.0 |
背面カメラ② | 30万画素 (深度測定) |
前面カメラ | 500万画素 (公式サイトには800万画素と記載) |
UIは基本的なもので、SSやISO感度などを変更できるProモードも搭載しています。ただし、ほとんどにおいて日本語化できていないのは改善してほしい点です。
HDRはいらない
適当にペットボトルを撮影してみました。
すさまじくのっぺりとしていますね。妙に明るすぎて写真として破綻し気味な出来映えです。これはHDRがオンになっている影響で、これをオフにして撮影したほうが良い画質になりそうです。
非常にマトモな画質になりました。
この機種に限らずタブレット端末のカメラ機能はおまけ程度の印象がありますが、昔と比べるとかなり良くなったなと思います。メモ代わりやセンサーサイズの小ささを活用した手元の撮影程度には向いているのではないでしょうか。
まとめ
実売2万円と考えれば充分すぎる性能と使い勝手を備えた良端末といえるでしょう。ディスプレイ品質や解像度、実使用でのスペックにも大きな問題はないですし、500gというバランスの取れた重量で持ち運びにも適しています。
良ポイント
- Widevine L1対応
- 高級感のあるデザイン
- 4GLTE対応
- 高速ストレージ
残念ポイント
- スピーカーの向き設定
- SDカードのフォーマット形式
- WIFIで通信するたびにステータスバーのアイコンが動くのが目障り(どうでもいい)
仕様や使い勝手自体に大きな不満はありません。