今更過ぎる「XPERIA 1Ⅱ」レビュー。これぞSONYな最高のエンタメ機。

またまた今更レビューシリーズです。前回は「XPERIA 10Ⅱ」の紹介でしたが、今回はその上位モデルである「XPERIA 1Ⅱ」になります。発売は2020年ですが、1年たった現在でも十分通用するスペックを兼ね備えたハイエンドモデルです。

2019年から始まった新生XPERIAシリーズですが、前モデルの「XPERIA1」の正当進化系にふさわしいスペックになります。発表当時、私が「XZ2」あたりに思っていた「こういうデザインにすればXperiaらしいのにな」という考えが完全に取り入れられていてとても購買意欲を掻き立てられた思い出です。ついに手に入れました。

スペックシート

機種XPERIA 1 ⅱXPERIA 1
OS
(出荷時)
Android 11
(Android 10)
Android 10
(Android 9)
SoCSnapdragon 865Snapdragon 855
RAM8GB6GB
ROM128GB
microSD 最大1TB対応
64GB
microSD 最大1TB対応
ディスプレイ6.5インチ 4K
有機EL
HDR対応
6.5インチ 4K
有機EL
HDR対応
アウトカメラ超広角 16mm:12.2MP F2.2
広角 24mm:12.2MP F1.7
望遠 70mm :12.2MP F2.4
超広角 16mm:12.2MP F2.4
広角 26mm:12.2MP F1.6
望遠 52mm :12.2MP F2.4
インカメラ8MP F2.08MP F2.0
5G対応対応対応
ネットワークWiFi:802.11
a/b/g/n/ac/ax (WiFi6)
Bluetooth5.1
WiFi:802.11
a/b/g/n/ac (WiFi5)
Bluetooth5.1
SIMmicroSIM ×1microSIM ×1
I/OUSB Type-C
USB3.1
イヤホンジャック
USB Type-C
USB3.1
セキュリティ指紋認証
(側面)
指紋認証
(側面)
電源ボタンと分離
防水防塵
おサイフケータイ
IPX5/8 IP6X
対応
IPX5/8 IP6X
対応
バッテリー4000mAh
USB PD対応
ワイヤレス充電対応
3200mAh
USB PD対応
サイズ
重量
約166×72×7.9mm
重量:181g
約167×72×8.2mm
重量:178g

順当な進化を遂げているのがわかります。仕様リストには記載されていませんが、カメラの性能向上は大幅なもので、「ZEISS T*(ティースター)」コーティングのレンズ、センサーサイズの大型化が図られています。

イヤホンジャックも復活しており、非の打ち所がないフラッグシップにふさわしいモデルになったともいえます。

デザイン

購入の動機はこのデザインの良さです。ほかのスマートフォンにはまねのできない唯一無二のXPERIAとしてのアイデンティティを取り戻したような、そんな素晴らしいデザインです。

とてーもかっこいい
反射防止の背面フィルムをつけて使用しています。
Ⅲのすりガラスみたいでこれもかっこいいです。

前モデルよりも「一枚板」を意識した見た目で、XZ3→1→1Ⅱと、急激に個人的に好きなデザインへと変化しています。また、反射強めの超光沢ボディで、高級感を感じられます。SIMフリー限定で「フロストブラック」という背面がすりガラス仕上げになっているものもありますが、そちらも非常にかっこいいです。

ただ、今回はドコモ版を購入したのですが、「docomo >>5G」のロゴがとっても個性的ですね。昔のように前面に配置されていた時よりマシですが、ほんとうに誰得なのでやめてほしいです。

前面から見て右側面には音量ボタン、電源(指紋センサーと共用)、シャッターキーが備わります。兄弟モデルである「5Ⅱ」以降に搭載されている悪名高きGoogleアシスタントキーは嬉しいことに付いていません。あのボタン、もう少し拡張性を持たせられないのでしょうか。ボタンが増えすぎるとスマホ用三脚などで干渉してしまうので大変です。

カメラです。前モデルと引き継ぎ三眼で、上から【超広角】【望遠】【ToFセンサー】【広角】の順となっています。また、ZEISSの独自コーティングである「T*」の文字があしらわれています。スマートフォンの中では軽視されがち?なレンズの光学性能にも力を入れているということが分かります。

ディスプレイ

引き続き6.5型の4K対応HDR有機ELディスプレイを搭載しています。

また、今回から90Hz「相当」の残像低減機能を搭載しています。ディスプレイ自体は60Hz駆動ですが、残像の処理機能によって90Hz相当まで近づけるという物なのでしょうか。私の目では操作した限りの違いは感じ取れませんでしたが、これは普段使用しているスマートフォンが90HzのPixel5だからでしょうか。

さらに、Android11のアップデートよりHDMI入力機能が追加されました。

簡単に言えばこのスマートフォンをモニターとして使用できるようになる機能です。カメラのサブモニターとしての使用もアリですし、やろうと思えばPCの画面を出力することも可能です。

この機能は設定からオンにする必要があり、「接続」から行えます。

「接続」の「外部モニター」から変更可能

試しにHDMIキャプチャデバイス経由でカメラを接続してみましたがしっかりと認識できました。ただし、手元にあったType-C→HDMIの変換ケーブルの場合では認識すらされなかったので相性も大きいと思われます。

カメラ

個人的に最も分かりやすく良くなったなと思うポイントです。大幅な進化を遂げたのはメインレンズ(広角)で、センサーサイズの大型化、AF機能などの性能向上が多くみられます。望遠レンズでは52mmから70mmになり、さらに望遠として使いやすくなっています。

自然な色調

これはXPERIA シリーズすべてに通ずる特徴ではありますが、最近のスマートフォンのカメラはいわゆる「映え」を意識して実際よりも彩度を上げるような処理を行う機種が多い(中華系メーカーに多い)中、この機種は極めて実際に近い色合いを表現しています。この点については好みが分かれるかもしれませんが、ソフトウェアで無理に彩度を上げるよりもカメラ本来も力で発揮する色合いのほうが個人的には好きです。

超広角レンズ

センサーサイズ大型化の恩恵を感じられる暗所処理機能

センサーサイズの大型化により、暗所撮影においての画質が大幅に向上しました。

センサーサイズの比較
出典:SONY

左がPixel5、右がXPERIAで比較してみました。ぱっと見の大きな違いはあまり見られませんが、細部(特に看板の文字)などにおいてはPixel5のほうが鮮明に映っています。

使って楽しい「Photography Pro」

今回から追加された基本の「カメラ」アプリに次ぐカメラアプリ、「Photography Pro」ですが、SONYらしくて非常に面白いです。こういうのがあったらいいななんて思っていたことをかなえてくれました。
SONYのαシリーズやRXシリーズなどといったデジタルカメラと殆ど同じ操作系でダイヤルを回すかのように様々な操作が可能です。AFのエリアやAEL、AF方式など、デフォルトのカメラアプリでは操作できない機能がてんこ盛りです。

このように色々な機能をいじる楽しさ、ソフトウェアだけどメカメカしくて好きです。

マニュアルモードやシャッター優先モードでシャッタースピードを調整すればライトペインティングの撮影も可能です。また、RAW出力も可能です。

性能を確認…各種ベンチマーク

定番ベンチマークアプリにて性能を確認していきます。

総合性能…Antutu

十分かつ文句なしのスコアです。総合的に20%ほど性能が向上しています。
スコアの計算方法の変化もありますが、ハイエンドモデルにおいてはここ5年間で6倍ほどまで性能が向上しました。

正式には6年前のスマホ、XPERIA Z5

しかしながら、当時のようにスコアの高さが操作性の良さにそこまで影響するかと言われればそうとも言えないのが最近です。最近ではミッドロー帯においても十分すぎる性能を持っているものが多く、必ずしもハイエンドモデルである必要性は以前より薄れている気がします。

ストレージ性能…A1 SDbench & Antutu

早い!!NVMeSSD並みです。

さすがハイエンド、とても速いです。この速度から見るにDDR5&UFS3でしょうか。

ユーザビリティ

3.5mmジャック復活

イヤホンジャックが約1年半ぶりに帰ってきました。ありがとうございます。
家の外で使用する機会はほとんど消滅してしまいましたが、家では長時間音楽を聴くときなどに使用する機会がまだまだあります。その度に変換アダプタを用意するのも面倒であったので、とてもうれしい変更点です。

ついに復活したイヤホンジャック
(反射が凄い)
出典:SONY

ただし、「XPERIA XZ1」まで搭載されていた有線でのノイズキャンセリングは復活しませんでした。時代は完全にワイヤレスですからね。SONY的にもワイヤレスノイキャンイヤホンを買ってもらいたいところでしょう。

ノイズキャンセリング

指紋認証の性能向上

指紋センサー

電源ボタンと一体化した指紋センサー、分離していた初代では時間がたつにつれ精度が悪くなっていく印象を受けましたが、今回は充分高速かつ高精度になりました。

スピーカー

出典:SONY

以前からステレオスピーカーではありましたが、片側が側面、片側が前面という音の方向的にはあまり良くない配置でした。今回では両方とも全面に配置しステレオ再現性を向上したとされています。

前面ステレオサウンドは歴代XPERIAでも多く採用されていましたが、今回で各段に良くなった気がします。国内メーカースマホのスピーカーというとシャリシャリ小音量な印象でしたが、この機種では低音から高音までバランス良く聴き取れます。

ただし、DolbyAtomsオフの状態での音のバランスが悪いように感じることもあります。

まとめ

XPERIAの復権を決定づける渾身のスマートフォン。

XPERIAらしさを渾身に発揮した良スマートフォンです。バッテリーやカメラ、デザインなどにおいて大幅にブラシュアップされており、旧モデルからの進化を随所に感じられます。

価格もこなれてきた今日この頃、ぜひスマホ買い替えの選択肢にいかがでしょうか。

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