カメラ最強Xperia?「XPERIA PRO-i」スペックまとめ。
2021年10月、SONYは新型スマートフォンの発表を行いました。今回は「1・5」などのナンバリングシリーズではなく、2020年に新シリーズとして発売された「PRO」シリーズの新作になります。
初めに申し上げますと、この機種、スマートフォンというよりスマホ機能付きカメラです。英語の紹介文「1.0-type image sensor camera with full smartphone capabilities」とある通り、カメラですね。
今回のポイント
- カメラ性能大幅強化
- スマホ機能がついたカメラと言ってもいいほど
- PRO(初代)の正当進化ではないことは名前が証明
スペックシート
モデル | XPERIA PRO-i | XPERIA 1Ⅲ | XPERIA PRO |
---|---|---|---|
発売年 | 2021 | 2021 | 2020 |
販売形態 | SIMフリー (予定) | au docomo softbank | SIMフリー |
カラバリ | ブラック | フロストブラック フロストグレー フロストパープル | ブラック |
OSバージョン (出荷時) | Android 11 | Android 11 | Android 11 |
SoC | Snapdragon 888 | Snapdragon 888 | Snapdragon 865 |
メモリ | 12GB | 12GB | 12GB |
ストレージ | 512GB microSD | 256GB microSD | 512GB microSD |
ディスプレイ | 6.5インチ 有機EL 4KHDR (3840×1644) | 6.5インチ 有機EL 4KHDR (3840×1644) | 6.5インチ 有機EL 4KHDR (3840×1644) |
ディスプレイ駆動 | 120Hz (240Hz相当処理) | 120Hz (240Hz相当処理) | 60Hz (模擬90Hz対応) |
アウトカメラ① | 標準 1型サイズ 1220万画素 F2.0/4.0(可変) 26mm RX100 VII相当のセンサー ZEISS TessarT*レンズ | 標準 1/1.7サイズ 1220万画素 F1.6 26mm | 標準 1/1.7サイズ 1220万画素 F1.7 24mm |
アウトカメラ② | 超広角 1220万画素 F2.2 16mm | 超広角 1220万画素 F2.2 16mm | 超広角 1220万画素 F2.2 16mm |
アウトカメラ③ | 望遠 1220万画素 F2.4 50mm | 望遠/超望遠 (可変式) 1220万画素 F2.3 70mm F2.8 105mm | 望遠 1220万画素 F2.4 70mm |
その他カメラ機能 | 3D iToFセンサー T* ZEISSレンズ リアルタイムトラッキング シャッターキーの改良 (RX100と同等部品) VideographyPro等、 Vlog特化機能搭載 | 3D iToFセンサー T* ZEISSレンズ リアルタイムトラッキング | 3D iToFセンサー T* ZEISSレンズ リアルタイムトラッキング |
インカメラ | 800万画素 F2.0 | 800万画素 F2.0 | 800万画素 F2.0 |
ネットワーク | 5G Sub-6 | 5G ミリ波 | 5G ミリ波 |
USB | USB 3.2 Gen2 (10Gbps) | USB 3.2 Gen1 (5Gbps) | USB 3.2 Gen1 (5Gbps) |
HDMI入力 | 対応 (変換アダプター使用) | 対応 (変換アダプター使用) | 対応 (microHDMI) |
WiFi | IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax | IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax | IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax |
Bluetooth | Bluetooth 5.2 | Bluetooth 5.2 | Bluetooth 5.1 |
バッテリー容量 | 4500mAh | 4500mAh | 4000mAh |
ワイヤレス充電 Qi | 非対応 | 対応 おすそ分け充電対応 | 対応 |
防水防塵 | 防水(IPX5/IPX8) 防塵(IP6X) | 防水(IPX5/IPX8) 防塵(IP6X) | 防水(IPX5/IPX8) 防塵(IP6X) |
3.5mm イヤホンジャック | 搭載 360 Spatial Sound | 搭載 | 搭載 |
生体認証 | 指紋 (電源ボタン一体) | 指紋 (電源ボタン一体) | 指紋 (電源ボタン一体) |
本体サイズ | 166㎜×72㎜×8.9㎜ | 165㎜×71㎜×8.2㎜ | 171㎜×74㎜×10.4㎜ |
重量 | 211g | 188g | 225g |
カメラ仕様
今年の「PRO」シリーズの方向性
初めに、今回の「PRO-i」ですが、「i」の意味は「imaging」の略であり、その名の通りプロレベルのカメラを搭載し、注力しているということになります。
昨年の初代PROでは、αシリーズを中心とするソニーの一眼レフカメラとの連携という点において注力されたモデルという印象があり、「1」シリーズとの差別化としてHDMI入力の搭載や頑丈化等が図られました。ハイアマチュアやプロフェショナルユーザーにとってはとても魅力的に感じられたかもしれませんが、一般ユーザーにはあまり魅力がわからない、まさに玄人向けモデルといった印象でした。
対して今回では、この一つで多くが完結するように作られた印象で、スマホ機能付きカメラといってもいいようなモデルです。大きな違いとしてはカメラ機能の強化で、RX100シリーズなどの高級コンデジと同等の1型センサーを搭載し、画像処理機能も向上しています。画素数においてはRX100の20MPに対して、この機種では12MPであることから、センサー当たりの集光量が多くなり、結果的に夜間撮影などでは有利なのではないでしょうか。(処理能力、レンズ性能が同等な場合)
ただし、すべてにおいて「XPERIA 1Ⅲ」同等以上の構成という訳ではなく、望遠レンズにおいてはペリスコープタイプの採用はせず、50㎜止まりとなっています。
可変絞りです
焦点距離が可変しない代わりという訳ではありませんが、F値を二段階で絞れるようになりました。これはカメラ機能として見たときには大きな進化といえます。とてもカメラらしいです。
今まで明るすぎる場面などにおいてはシャッタースピードとISO感度の変更で対策するしか方法はありませんでしたが、F値の変更ができることでノイズ量の違い等に左右されず調整できるようになりました。また、ボケの量を調整するということも可能になります。(ちなみに、今までのボケ調整は一部を除いてソフトウェア処理で生成されたボケがほとんど)
AFが更に進化
像面位相差検出AFを搭載しています。上の写真の緑の四角がピントを合わせることができる部分になります。もうαシリーズのAFとほぼ同等ですね。
また、リアルタイム瞳AFを引き続き搭載し、今回から後述する「Videography Pro」において動画撮影時での瞳AFにも対応しています。
マルチショットNRにも対応
複数枚の写真を自動で連続して撮ることで一枚に重ね合わせて合成してノイズの少ない写真を作成できる機能になります。これもRXやαシリーズからの機能ですね。
動画撮影機能向けに新アプリ追加
「Cinematography Pro」「Photography Pro」に続いて、三つ目のProシリーズとして「Videography Pro」というアプリが追加されました。
「Cinematography Pro」との違いを挙げるとするならば、前者が映画的動画、21:9の動画撮影を主軸とした玄人志向な機能に対して、後者がVlogなどの撮影を主軸としているものになります。
デザイン
基本的には「1」シリーズと同じようなデザインです。カメラの位置はセンサーの大型化に伴い中央に移動しています。また、ほかのカメラと比較してもさらに一段階出っ張っているデザインになっています。
側面にはもちろんシャッターキーが搭載されており、その隣にショートカットキーが搭載されています。このキーでは任意のアプリを割り当てることができます。(ついにGoogleアシスタントキーが消滅、うれしい)