「iPhoneは毎年値上がり」は誤解だった?アメリカでは2020年から799ドル据え置き、日本で高くなった理由はほぼ”円安”だった【2015〜2025年】

iPhoneの値段が上がり続けている、という印象を持っている人は多いと思います。たしかに日本では2020年のiPhone 12が85,800円だったのに対し、2025年のiPhone 17は129,800円で、5年間で約1.5倍になりました。

ところが、アメリカ価格を見ると話はまったく違います。iPhone 12〜iPhone 17まで、ベースモデルはずっと799ドル。Appleはアメリカで価格をほぼ上げていません。では日本ではなぜ高くなったのか。答えは一つ、円安です。

この記事でわかること

    >2015〜2025年の歴代iPhoneの米国価格・日本価格・ドル円相場の実データ>米国では2020年以降799ドルで据え置きが続いていること>日本円価格の上昇はドル円相場とほぼ連動していること>2016〜2019年は「円高で日本の方が割安」だった時期があったこと>2022年の円安加速が最大の転換点になったこと

10年間の価格・為替一覧

まず数字を並べます。以下は各年のベースモデル(最小ストレージ・SIMフリー)の米国価格、日本価格、ドル円年間平均レート、そして「日本価格をドル換算した値」です。

モデル米国価格
(USD)
日本価格
(税込)
ドル円
年平均
日本価格
ドル換算
米国との差
2015iPhone 6s$649¥98,800121.0円$817+$168
2016iPhone 7$649¥72,800108.8円$669+$20
2017iPhone 8$699¥78,800112.2円$702+$3
2018iPhone XR$749¥79,800110.4円$723-$26
2019iPhone 11$699¥82,280109.0円$755+$56
2020iPhone 12$799¥85,800106.8円$803+$4
2021iPhone 13$799¥98,800109.8円$900+$101
2022iPhone 14 🔴$799¥119,800131.5円$911+$112
2023iPhone 15$799¥124,800140.5円$888+$89
2024iPhone 16$799¥124,800151.8円$822+$23
2025iPhone 17$799¥129,800149.8円$867+$68

※ 価格はベースモデル・SIMフリー・税込。ドル円は年間平均レート。「米国との差」は日本価格をドル換算した値から米国価格を引いた差額。2022年は転換点として強調。

📈 グラフ① アメリカは安定、日本はドル換算で割高に

下のグラフは、米国価格(USD)と日本価格をドル換算した値を重ねたものです。米国の青い実線がほぼ横ばいなのに対して、日本のオレンジの破線は2021〜2022年に一気に上がり、その後も100ドル前後の差が続いていることが見て取れます。

▲ グラフ①:米国価格(USD)vs 日本価格(ドル換算)推移 2015〜2025|出典:Apple公式・pricey.jp
$600$700$800$900$1000$649$817$799$803$799$911$799$8662022年 円安加速¥119,800に値上げ2015(6s)2016(7)2017(8)2018(XR)2019(11)2020(12)2021(13)2022(14)2023(15)2024(16)2025(17)米国価格(USD)日本価格(円→ドル換算)米国価格 vs 日本価格(ドル換算)推移 2015〜2025

注目すべき点として、2016〜2020年ごろは日米のドル換算価格がほぼ同水準でした。iPhoneが「アメリカで買っても日本で買っても大差ない」時代があったわけです。それが2021年に$100超の差がつき始め、2022年には円安加速によってAppleが日本価格を一斉値上げ。これ以降、日本はドル換算ベースで明確に割高な市場になりました。

📊 グラフ② 日本円価格とドル円相場の連動

日本円価格(棒グラフ)とドル円レートの推移(折れ線)を重ねると、両者がほぼ同じタイミングで上昇しているのがわかります。ドル円が上がれば日本のiPhone価格も上がる——それだけシンプルな構造です。

▲ グラフ②:iPhone 日本円価格とドル円レートの連動 2015〜2025|出典:Apple公式・pricey.jp | ドル円折れ線は×700でスケール合わせ
¥0¥2万¥5万¥7万¥10万¥12万¥15万¥9万¥8万¥11万¥12万121円132円150円前年比 +¥21,000ドル円 131.5円2015(6s)2016(7)2017(8)2018(XR)2019(11)2020(12)2021(13)2022(14)2023(15)2024(16)2025(17)日本円価格2022年(転換点)ドル円レート(×700スケール)iPhone 日本円価格とドル円レートの連動 2015〜2025

特に顕著なのが2021〜2022年の動きです。2020年のドル円年平均は約106.8円でしたが、2022年には131.5円まで一気に円安が進みました。Appleはこれを受けて2022年7月に日本でiPhone全機種の価格を改定。iPhone 14は前世代から約2万円値上がりし、iPhone 12の85,800円と比べると34,000円(約40%)の上昇となりました。

📉 グラフ③ 「日本は米国より何ドル割高か?」の推移

▲ グラフ③:日本のiPhoneは米国より何ドル割高か? 2015〜2025|日本価格を年間平均ドル円で換算後に米国価格との差を算出
$-50$0+$50+$100+$150+$168+$20+$3$-26+$56+$4+$101+$112+$89+$23+$67唯一、日本が割安だった年最大割高 +$112(約1.5万円分)2015(6s)2016(7)2017(8)2018(XR)2019(11)2020(12)2021(13)2022(14)2023(15)2024(16)2025(17)日本が割高(+)日本が割安(−)2022年(最大転換点)日本のiPhoneは米国より何ドル割高か? 2015〜2025

日本価格をドル換算した値から米国価格を引いた「割高幅」を年ごとに表示したのが下のグラフです。プラスが日本割高、マイナスが日本割安を意味します。

2018年のiPhone XR発売時は唯一マイナス(日本が約26ドル割安)になっています。これは当時の円相場と値付けのタイミングが重なった結果です。逆に最も割高だったのは2022年の+$112で、米国と同じ端末なのに日本では約112ドル(約1.5万円)高く買わされる状況でした。2023〜2024年にかけて差が縮んでいるのは、Appleが日本価格を据え置いた一方で円安幅が市場に織り込まれてきたためと考えられます。

なぜこうなる?仕組みを3行でまとめると

    >Appleはまず米ドルで価格を決める——iPhone 12以降は799ドル固定。>各国通貨へ換算して現地価格を設定する——換算タイミングと通貨バッファの関係でタイムラグや上乗せが生じる。>円安が進むほど日本価格が上がる——2020年の106円から2024年の152円への円安が、そのまま日本円価格の上昇に反映された。

つまり「Appleが日本だけ値上げした」というより、「円安が進んだ結果として日本円での支払い額が増えた」という方が正確です。アメリカの消費者は10年近くiPhoneの価格上昇をほとんど実感していないのに対し、日本の消費者は為替の影響をダイレクトに受け続けています。

2026年以降の価格はどうなる?

2025年のiPhone 17は米国が$799のまま、日本が129,800円となりました。ドル円相場が今後どう動くかが、日本のiPhone価格を左右する最大の変数です。円高に戻れば値下げや据え置きが続く可能性がある一方、再び円安が加速すれば2022年のような大幅値上げが繰り返されます。

また、トランプ政権下での関税政策も不確定要素として残っています。2025年時点では対中関税の影響がAppleのサプライチェーンに及ぶ可能性が指摘されており、これが将来的に米国価格の上昇につながれば、世界的な値上げとなる可能性もあります。

⚠ データについて
    >価格はベースモデル(最小ストレージ)・SIMフリー・税込の参考値です。キャリア割引・セール・学割は含みません。>ドル円レートは年間平均の概算値です。>日本価格のドル換算はAppleの公式換算レートとは異なります(年間平均レートを使用)。>出典:Apple公式・pricey.jp・androidauthority.com・itmedia.co.jp・prtimes.jp(Nukeni)>最終更新:2026年6月24日

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