Reno5 Aと比較して分かる『OPPO Reno7 A』の地味ながら痛い退化点
2022年6月に『OPPO Reno 5A』の後継モデルとなる『OPPO Reno 7A』が発表、発売開始されたわけですが、このモデルを「完全上位機種」とはっきりと言ってよいのか、悩む点もあります。
これは先代の『OPPO Reno A』から『OPPO Reno3 A』との間でもあったポイントですが、全ての仕様においてアップグレードされているとははっきりと言いづらいのです。今回はどこがそのようなポイントなのかを紹介します。
退化点
今回のモデルではカメラ回りの退化が目立ちます。以前のモデルはここに力を入れていたからこそ目立つものでもあり、Reno7Aは紹介ページを見る限りあまりこの辺りに力を入れていないことがうかがえます。
インカメラのF値が大きく
まずはインカメラ、解像度自体に違いはないものの、F値が大きくなってしまっています。(一般的に、F値は大きいほど取り込める光量が減ります)
Reno7 A | Reno5 A | |
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解像度 | 約1,600万画素 | 約1,600万画素 |
F値 | F/2.4 | F/2.0 |
暗くなりがちなインカメラでの撮影、ソフトウェアの力で加工できるとはいえハードウェア的に明るいに越したことはありません。
4K撮影不可&諸々
Reno7 A | Reno5 A | |
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撮影可能動画解像度 | 1080P(30fps) 720P(30fps) | 4K(30fps) 1080P(60fps/30fps) 720P(60fps/30fps) |
スローモーション撮影 | 720P(120fps) | 1080P(240fps) 720P(480fps) |
こちらが2機種間の動画撮影に関する機能です。残念ながら大幅に退化しているのが分かります。特に4K撮影が不可能、60fps撮影が不可能という点はそれなりに大きいポイントです。
また、スローモーション機能は120fpsのみになっています。
なお、インカメラの動画撮影機能に違いはありません。
『退化』ではないSoC
Reno7 Aにはミッドレンジクラスの『Snapdragon 695 5G』を搭載し、Reno5 Aにはミッドハイの『Snapdragon 765G』を搭載しています。型番の法則的には後者の方が上のように見えるかもしれませんが、『765G』は登場が2020年と今では少し古いものになっています。
Reno7 A | Reno5 A | |
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型番 | Snapdragon 695 5G | Snapdragon 765G |
CPUコア数 | 8 | 8 |
CPU構成 | Kryo 660 Gold (Cortex-A78) 2.2 GHz×2 Kryo 660 Silver (Cortex-A55) 1.7 GHz×6 | Kryo 475 Prime (Cortex-A76) 2.4 GHz×1 Kryo 475 Gold (Cortex-A76) 2.2 GHz×1 Kryo 475 Silver (Cortex-A55) 1.8 GHz×6 |
プロセスルール | 6mm | 7mm |
GPU | Adreno 619 | Adreno 620 |
ベンチマークスコアなどを見るにこの実性能は「同等~少し上」ということで、グレードの違いを世代の違いでカバーできています。
『ちょうどいい』スマホには変わりない
記事の性質上、退化点ばかりを取り上げるものにはなってしまいましたが、バッテリー容量(4000→4500)、ディスプレイ(液晶→有機EL)、厚み(8.2→7.6mm)などなど、これらの点を上回るほど多くの進化点があるということを抑えてた上で検討してほしいです。
カメラ性能をあまり気にせず長く使える機種が欲しいという場合は『Reno7 A』一択にはなりますが、旧モデルの『Reno5 A』の実売価格の差も考慮したうえで考えてみるといいかもしれません。ちなみに、定価では少しだけ『Reno5 A』の方が安価です。円安の状況を鑑みれば当然とは言えますが。