新東名高速道路の神奈川~東京区間を勝手に推測。

新東名高速道路
出典:Wikipedia

新東名高速道路とは

2012年の静岡県区間の大規模開通から始まり、2022年度中の全線開通に向けて着々と建設が進められている『新東名高速道路(第二東海自動車道)』。

「海老名南JCT」~「豊田東JCT」の本線、その他連絡線等の視線から構成されており、残る建設中の区間は「伊勢原大山IC(神奈川県)」~「新御殿場IC(静岡県)」の間となっています。

この高速道路と新名神高速道路の開通により、神奈川(海老名)~名古屋(伊勢湾岸自動車道)~大阪~山口までダブルネットワークでつながるようになり、渋滞の解消や事故・災害発生時の代替手段としての機能を発揮しています。

肝心の東京区間、なぜ建設されないのか!

現在は海老名南JCTが終点

はじめに述べた通り、建設されている区間は「海老名南JCT」から「豊田東JCT」です。海老名南JCTは神奈川県海老名市の相模川沿いにあるジャンクションで、神奈川県中央部に位置します。

現在の終点、海老名南JCT
出典:地理院地図

ここで勘のいい方ならお気づきになると思いますが、東京都内への建設は行われていません。

海老名南から東側が一番渋滞する

東名高速道路の最混雑区間は「海老名JCT」~「横浜町田IC」とされており、平成27年度の渋滞損失時間(混雑により余計にかかる時間)は全線でトップの「134」です。

出典:国土交通省

このままだと新東名が全線開通しても海老名から東側は現東名一本に統合されるため、合流により混雑は減るどころか増す可能性も考えられます。

一番混雑する区間に新線を建設することが最も渋滞解消に効果があるはずですが、これがなされないのはなぜでしょうか。その理由を推測していきます。

完全に想定していないわけではない

しかしながら、正式名称上での「第二東海自動車道」の起点は「東京都」にあるとされています。このことから、構想はありつつも計画、着工には至っていないということになります。

海老名南JCT
延伸が可能な構造

その一つとして、海老名南JCTの構造は東京方面への延伸を想定したものとなっています。形としては中央道土岐JCTに似たもので、T字型を組み合わせたものになることが予想できます。

では、なぜ建設されないのか

建設を行わない理由は発表されていませんので完全に推測になりますが、筆者の考えとしては2つのものがあると考えられます。

①建設費が高い&住宅密集地を通ることになる
②並行するルートが多め

1つ目の理由「建設費が高い」が主になりますが、当然これは住宅密集地を多く通過することが予想できるからであり、仮に大深度地下を利用する場合でもトンネル建設のコストはバカになりません。更に、最近では同じNEXCO中日本管内での東京外環建設工事中の陥没事故の発生などもあり、周辺住民並びに世間の大深度地下利用への意識はあまり良いものではないといっても過言ではありません。建設される場合でもかなり時間がかかり難航するのが容易に想像できます。

2つ目の理由としては「並行ルートの存在」になりますが、現在、神奈川湘南方面から連絡する高速道路はほかにも計画、建設中のものがあり、その一つとして『横浜環状道路』が挙げられます。

横浜環状線
出典:横浜市

こちらは横浜環状道路の計画地図ですが、現在は新湘南バイパスと「横浜環状南線」の建設が進められています。これは新東名の終点である海老名南JCTの交差路線である圏央道と接続する路線であり、この道路が開通した場合、「圏央道」~「新湘南バイパス」~「横浜湘南道路」~横浜環状線南線」~「横浜横須賀道路」という流れで都心方面の道路と接続することができるようになります。

また、横浜環状線の西側区間についても計画が進められており、これの着工が現実のものになった場合、新東名高速道路の建設の必要性はなくなってしまいます。ただし、これらいずれの場合でも建設費の問題などもあり、着工までかなり長い時間がかかるでしょう。

ルートを想定してみよう

大変前置きが長くなりましたが、ここからが本題です。

これまで述べた問題を差し置いて、仮に建設されるとしたらどのようなルートになるのか。という点について考えていきたいと思います。

横浜環状線活用ルート

国道467号付近まで延伸し、計画予定である横浜環状線と接続、経由して横浜青葉付近まで至るルートです。全体的に現東名と並行しており、横浜青葉付近から先も『第三京浜』などのルート選択ができることが利点です。

しかしながら、新規に建設する区間が非常に長く、費用は莫大になることが予想されます。

横浜新道接続ルート

東に直進しながら横浜新道に接続するルートです。建設する区間は比較的少ない反面、現状でも規格が低く交通量の多い横浜新道につなげることによる渋滞の悪化など、問題発生の可能性は否定できません。しかしながら、第三京浜や湾岸道などへのアクセスは飛躍的に向上します。

ほぼ完全新規ルート

こちらは首都高への接続を想定したルートです。第三京浜の玉川ICまで向かい、そこから首都高速2号線までつなげるというものです。完全に新規建設ということで、単純な交通量増への対応が可能ですが、こちらもその建設コストと建設にかかる年月は莫大になると容易に想像できます。

1件のコメント

  • 予想ルート(2)に近いですが、横浜環状南線−釜利谷JCT−横浜横須賀道路金沢支線経由で湾岸線に繋げる構想だと思います。横浜環状南線、横浜横須賀道路金沢支線ともに6車線で設計されていて新東名も湾岸線も6車線なので。

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