『eMarker』とは?おすすめケーブルも紹介。
概要
USB PDが最近の急速充電技術の主流となっていますが、充電の規格や対応ケーブル、対応機種など、安全に使用するためにはそれなりに環境を整える必要があります。
そもそもUSB PDとは?という場合にはこちらの記事をご参照ください。
このような急速充電技術の規格を調べる中で「eMarker」という言葉がちらほら出てきます。実はこの言葉、安全なUSB給電充電を行う上でかなり重要なものなのです。
解説
どこにある?
Type-Cケーブルのコネクタ部の拡大画像になります。このオレンジの部分(実物はこのような色ではないですしこのようなものではありません)のような基板上のチップが「eMarker」になります。
USB3.1以上に対応するType-Cケーブルにおいての搭載が必須とされています。逆に、USB3.0以下のType-Cケーブルへの搭載は必須ではありません。
役割
では、このチップがどのような役割をもたらすのかという点ですが、「ケーブルの情報を登録することで、正しい充電電圧や電流を与えるようにするもの」になります。
eMarkerチップの中には、
- Type-Cとしての機能
- USBの規格(USB3.1、3.2など)
- eMarker搭載端子の反対端子の仕様(Type-C?Type-A?など)
- 型番
- メーカー名
- 通電能力
などといった情報が記録されています。
この情報をUSB PD充電器が受け取ることによって、ケーブルの許容範囲を超えた電力を送ることが無いよう調整できるようになり、安全性を高まるということです。これに対応したケーブルを使っておきたいですね。
例
ここでは、「100W出力のPD充電器」を「100W充電対応 の機器」に充電するとしましょう。
最大60W対応のeMarker搭載ケーブルを使用します。
PD充電器はeMarkerの情報を基に最適な電流を決定します。60W対応のケーブルでは基本的に3A迄なので、「20V3A」の60Wで充電すると決定します。
ですので、「充電器、ケーブル、デバイス」それぞれの対応を確認することが必要だということです。
おすすめケーブル
ケーブルの取り回しを気にするなら
・USB2.0のeMarkerケーブル(種類少ない)
転送速度が速いものがいいなら
・USB3.1以上のeMarkerケーブル(種類多い)
100円ショップで販売されているアレ
『何でも使える万能ケーブル For Type-C ~専用スタンド付き~』という名前のものです。
価格は圧倒の500円(税別)、最大100Wに対応しています。現状最速のPD充電に対応できるということになります。ケーブル長は1mで、専用スタンドもついているというのも良い点です。
USBの規格は2.0止まりですが、充電にしか使わない場合は何も問題ないでしょう。逆にケーブル径を細くできるという点から、取りまわしの良さなどのメリットと捉えることもできます。
ケーブルの素材は一般的なPVC(ポリ塩化ビニル)です。
AUKEY Impulse CB-CD21-BK
こちらはUSB3.1Gen2にも対応した100W PD対応ケーブルです。メーカーもAUKEYなので比較的信頼性があります。また、ケーブル素材がナイロン編みであることから、取り回しが良く耐久性も高いです。
データ転送も早くやりたいという方にはおすすめなケーブルです。