今更過ぎる「AQUOS R3」実機レビュー

こんにちは。最近サブスマホを買い替えましたのでご紹介します。2021年では4台目のスマートフォンです。

AQUOSシリーズというと「Sense」シリーズのミッドレンジモデルが有名ですが、一応、「R」シリーズと「ZERO」シリーズといったミドルハイ~ハイエンドモデルを交互に世に送り出しています。直近だと2020年後半の「ZERO Basic」や「R5G」があります。

今回紹介する機種は2019年夏モデルとして発売された「AQUOS R3」になります。

本体スペック

スペック
機種AQUOS R3
SHV44
出荷時のOS
最新のOS
Android 9 Pie
Android 11
SoCSnapdragon 855
2.8GHz+1.7GHz
オクタコア
RAM6GB
LPDDR4X
ROM128GB
UFS 2.1
microSD 最大512GB対応
ディスプレイ6.2インチ(3120×1440)
Pro IGZO 液晶
コントラスト:400000:1
HDR10
Corning GorillaGlass 5
アウトカメラメイン:12.2MP F/1.7
ProPix2
超広角(動画):20MP F/2.4
インカメラ16.3MP F/2.0
動画機能アウト:4K30fps、1080p60fps、1080p30fps
アウト:1080p30fps、720p30fps
ネットワークWiFi:802.11 a/b/g/n/ac (WiFi5)
Bluetooth5.0
SIMmicroSIM ×1
I/OUSB Type-C (USB3.1)
イヤホンジャック
防水防塵
おサイフケータイ
IPX5/8 IP6X
対応
バッテリー3,200mAh
USB PD対応
Qi充電対応(最大11W)
サイズ
重量
約156×約74×約8.9mm
重量:185 g

2019年のハイエンドモデルだけあってスペックは充分に高いです。

AQUOSシリーズの特徴として、最近のハイエンドモデルでは絶滅危惧種になりつつある液晶を採用していることです。かつては液晶のSHARPと言われたほどだけあり、有機ELと遜色ない発色を実現しているとのことです。

デザイン

ツヤツヤで高級感がある

背面、前面ともにgorillaglass5で覆われており、ハイエンドモデルらしい高級感があります。背面は鏡面仕上げかと思うほど反射しやすいです。フレームはアルミ製で、特有のヒンヤリ感と触り心地のよさがあります。

右側面には上から、音量ボタン、電源ボタン、アシスタントキーとなります。

太く感じるベゼル

画面を点けてみました。

Pixel 5(左)との比較

液晶だから仕方がないのでしょうか、フレームを削る努力は垣間見えるもののベゼルは太く感じてしまいます。Pixel 5などの有機ELフレームレスモデルと比較すると全体的に野暮ったい印象です。

Pixel 5は6インチ、AQUOS R3は6.2インチですが、画面サイズの差以上に本体サイズの差があるように感じます。下部のノッチ部分を考慮すれば実使用できる画面サイズはほとんど変わらないでしょう。

地味に気になる点

黒枠(ブラックベゼル?)昔のスマホではよく見られた。

これは完全に個人的に気になるポイントですが、液晶とベゼルの間の「ブラックベゼル」とでも言うのでしょうか、写真で示した画面内の黒い部分、これが地味に古臭い感じがして残念な気がします。SHARPの液晶搭載スマートフォンはこの黒縁がある機種が多いですね。IGZOだと仕方がないのでしょうか。もしくは後ほど紹介する「覗き見ブロック」用の層があるのでしょうか。後者だとしたら難しいものかもしれませんが、いずれかは改善してほしい点でもあります。

AQUOS R Compact の公式画像より。これも黒枠が目立つ。

各機能レビュー

やっと真のデュアルレンズになったカメラ

AQUOS R2でもカメラレンズは二つ搭載されていましたが、片方は動画専用という構成でした。しかし、今回では動画専用カメラを超広角レンズとして写真撮影にも使用できるようになりました。(アップデートで対応)

構成としてはF値1.7の1220万画素(メイン)とF値2.4の2010万画素(超広角)になります。

この超広角レンズの面白いところは、画角の広さを電子式手ぶれ補正に利用することで、動画撮影時の手振れを大幅に補正できるようになっています。(光学式手ぶれ補正は非対応)

以下にPixel 5と比較した作例を掲載します。

左:AQUOSR3 右:Pixel5

まずは何度か比較に使用している某公園です。左からAQUOS、Pixelとなります。全体的な発色としてはPixelの方が良く、空の色が白飛びしてしまっているAQUOSに対してPixelはしっかりと青を表現できています。また、左側の木陰になって暗くなっている部分においても、岩の表現ができているPixelの優秀さが目立ちます。

左:AQUOSR3 右:Pixel5

次は超広角レンズでの比較です。画角としてはAQUOSのほうが広いのがわかります。発色、明暗の傾向としてはメインレンズと同じです。Pixelのほうが「映える」仕上りだと思います。

左:AQUOSR3 右:Pixel5

近くの展望デッキからの撮影です。全体的に明るい場所ではそこまで大きな差が見つかりません。どちらも充分きれいです。

画面は流石の綺麗&ヌルヌル

HDRコンテンツで表示できる10億色(10bit)という表現力を実現し、従来機種(AQUOS R2)と比較して輝度が約2倍となった「Pro IGZO」液晶ディスプレイを搭載しています。また、Dolby Visionに対応しています。

さすがは液晶のSHARPと思わせてくれる高発色、高輝度、高解像度なディスプレイです。非常に各色のうつりが良く、有機ELと遜色ない、またはそれ以上な印象を受けます。黒の表現は有機ELにかなわないものの、特に赤系が際立って綺麗に感じます。メディア再生には持って来いでしょう。

画面の写真を撮っても意味がないので、紹介ページより。

また、120Hz駆動に対応しています。全機種のAQUOS R2 では画面が縦に伸びた分リフレッシュレートが100Hzどまりになっていましたが、この点も改善されています。
この機能ははAQUOSスマホにおいて「ハイスピードIGZO」として2015年後半の「AQUOS Xx2」「AQUOS Serie」「AQUOS ZETA」から搭載されており、「やっと時代がAQUOSに追いついたか」という感じです。こういった先進的な機能があるのに、どうも認知されていないような気もしますが気のせいでしょうか。やはり世界の主流メーカーが搭載しないと流行を作るのは難しいのだろうということがよくわかります。

しかし、次の点がメディアプレイヤーとして少し残念なポイントです。イヤホンなら問題ないのですが…

スピーカーはステレオだが…

スピーカーは「AQUOS R」シリーズ史上初のステレオスピーカー搭載とのことです。但し、音の向きは考慮されておらず、縦に持って底面と前面に配置されています。また、「Dolby Atomos」にも対応しております。

肝心の音質(Dolby Atomosオン時)ですが、これまでのAQUOSシリーズに比べると確実に良くなっていると感じるものの、他社のハイエンドスマートフォンと比べると決して優れているとは言い切れません。個人的に音質が素晴らしいと思っている「Pixel 3」を10点とすると、この機種は5点程度でしょうか。ちなみに、Pixel 5は7点、AQUOS R Compactは2点です。

ステレオだけあってある程度の音の広がりは感じられますが、全体的に音が弱いです。ただ単に通話用のスピーカーをメディア用にも利用できるようにしただけで、肝心のスピーカーの質自体は良くなっていないのではないかと感じました。低音が特に弱く、SHARPスマホ特有の安い仕上りです。

性能

Antutuベンチマークで測定してみました。

Antutuバージョン8以前のスコアがほとんどなので何とも言えないというのが正直なところです。

50万点を超えている時点でかなり得点は高いと言えるでしょう。2021年現在でも多くのゲームなどを快適に動作できるだけのスペックは持ち合わせていると思います。

セキュリティ

セキュリティ機能として、指紋認証と顔認証に対応しています。両方の認証機能を同時に使用できるのは非常に便利です。AppleやGoogleも少しは見習ってほしいです。
指紋認証の精度自体は非常に良好ですが、センサーに触れてから画面が点灯するまでの時間がPixelやHuaweiに比べるとワンテンポ遅れる印象です。

遅いよね

ユーティリティ

AQUOS独自機能や便利機能が多数搭載されています。

まずは、アシスタントキーですが、この機種が発売された2019年あたりからこのキーが搭載されている機種が増えてきた印象です。最近だと「Sense 4」「XPERIA 5Ⅱ」などに搭載されています。機種によってはGoogleアシスタント以外に割り当てられないものもありますが、このキーの搭載自体Googleからの圧力でもあるのでしょうか。
この機種は他の機能を割り当てることもできます。

特定のアプリの起動、押す長さや回数で変えることもできるのでかなり便利といえるでしょう。さらに、カメラのシャッター代わりにすることもできます。無効にすることもできるのであって損はない機能だと思います。

他に、手に持っている間は画面を点灯し続ける「Bright Keep」や、画面の縁をなぞることでスクリーンショットが撮れる「Clip Now」、自動でスクロールを行う「スクロールオート」などいった機能があります。

覗き見ブロック

電車内などで、周りの人から画面をのぞき込まれて盗み見されるのを防ぐ機能です。画面に花のような柄が表示され、特に斜めからの角度において見にくくなります。こういった機能も国内メーカーならではです。

(初めは)楽しいエモパー

AQUOSシリーズでは2015年前半ごろから、家電製品などに搭載されている人工知能「ココロエンジン」のノウハウを活かしたアシスタントAIであるエモパーを搭載しています。

SHV31の紹介ページより。

この機能は、特定の場所で特定の動作を開始(任意で設定できる)と、エモパーが話しかけてくれる機能です。

例えば、就寝前の時間になると明日の天気を教えてくれたり、起床時間になるとニュースを伝えてくれたりします。タイミングに合わせて音量を調節してくれたり、文字だけで伝えてくれたりします。また、声も数種類かあり、好きな声を設定できるのも特徴です。

自発的に話しかけてくるGoogleアシスタントといったところでしょうか。

バッテリー・充電

容量は3,300mAhで、当時の水準からすると平均的です。
中華メーカーなどでよくある超高速充電には対応していませんが、USB PDによる18W充電には対応していますので充分な速度でしょう。

さらに、AQUOSシリーズでは久しぶりにワイヤレス充電(QI)に対応しています。最後にQI対応機種が出たのは2013年モデルのSH-03Eですので、実に6年振りということになります。充電速度は11Wです。

ワイヤレス充電位置
充電コイルの位置。下寄り

気になった点として、ワイヤレス充電用のコイルが背面中央より少し下に寄っていることです。そのため、台が小さめの充電器だとバランスが取りにくかったりズレやすかったりします。重心とコイルの位置がずれているのも微妙なポイントです。さらに、接触(触れないが)が悪い時があり、しっかりとコイル上に置いているのにも関わらず上手く充電されない時があります。

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